対岸の火事ならぬ、対岸の大嵐。
アメリカ合衆国って国は、お金がない人はとことん惨めな人生しかない国。貧富の格差が日本では考えられない位大きいって、あなたはご存知ですよね。
以前の記事で書きましたが、医療保険に入ってない、保険料を払うお金のない人たちは、風邪ひいても、インフルエンザにかかっても病院にいくこともできない国。莫大な医療費がかかるんですもの。
出産でさえ莫大なお金がかかるので、女性は産後1週間くらいで仕事に復帰する人もいるらしいです。
日本国民はほとんど国民健康保険に加入でき、比較的(これからどんどん負担率が上がっていくにしても)軽い負担で病院にかかることができます。
もっとも3割という割合は、ヨーロッパの先進国中ではもっとも重い負担だってことご存知ですか?
ほぼ全国民に収入に応じた保険料負担がある。そのかわり、いざ病気になった時は、誰でもほとんど無料で医療が受けられる。
そういうシステムが整っているからこそ、お金を溜め込んだり、老後の医療のための資金などと称して土地や貴金属に換えて死に金を作ったりしない。年金だけで豊かな暮らしが補償されてるわけです。今お金があるなしに関わらず。
アメリカの多くの人たちの考えはこれとは違っているようです。
保険料は自分が働いたお金から自分の分だけを払えばいい。保険料が払えない人の分まで、自分が負担する必要はない。
つまり、無収入で保険料が払えなくて、医者にいけない人のことなんか、自分の知ったことか。払えないのは払わない本人が悪いんだから。
そう言っているように私には思えます。
収入が充分にあって、それでも払わない人は別として、働きたいのに働き口がない、体が不自由で、あるいは病気が重くて働けないのに、病院にいって高い治療代を払わなくてはならないとしたら、あなたはどうしますか?
自分は病気じゃないし、健康でそこそこ仕事がある。そんな奴のことなんか知らない。とにかく自分が払わなくちゃいけない保険料がこれ以上上がってもらいたくない。
それに医療費負担が大きくなれば、また世の中の景気が悪くなるじゃないか。
企業は当然、医療費負担が個人ばかりでなく、企業にもかかってくることを嫌がるでしょう。
病人や金のない奴は早く死んでくれて、企業に役立つ健康な社員さえいればいい。いったん彼らが病気になれば使い捨てだ。使える奴は他にいくらでもいる。
そもそも健康保険料が払えない人はスラムの黒人や、ヒスパニック系が多い。(かどうかは私は知りません。)そんな人たちのために、ちゃんと保険料を払ってる私たちが家計を圧迫されるのは真っ平よ。
これが今、デモ行進してオバマさんに反対している人たちの本音でしょう。そんな「人間の命の尊厳」を踏みにじる考え方がまかり通るならアメリカ合衆国の未来はない、そう思いませんか。
病気の人、障害のある人、色んな理由で働けない人のために本来、医療保険はあるべきなのに。
今お金があって働ける人にとっては保険料は自分が病気になった時のための担保なんです。
今働ける人が、働けない人のために医療費を肩代わりしてあげる。その代わり自分が病気になった時に、健康な人に助けてもらう。
でもアメリカ合衆国の人は、こういった「相互扶助」の精神をよしとしない。
なぜ?人にたよるのは恥ずかしい?
一家で働いても働いても貧しいのは学歴や才覚がないから。本人が病気なのはその人が不注意だから?
実は働いても働いても、貧しい人はどんどん貧しくなる世の中のシステムが変わらないと個人の力ではどうにもできないんです。
アメリカはアメリカ、日本の自分となんの関係もないと思ってるあなた、対岸の大嵐と言ったのはこの事よ。
日本だって法律で決めて派遣やパート、アルバイトといった、企業が保険料負担をしなくていい労働者を増やし、給料はだんだん少なくして、国民健康保険料を払えない人を増やしてきている。
そうしておいて、保険料は一律でも収入に応じた徴収でもなく、任意加入にして、払える人だけの保険制度にする、、。そんなシナリオが、日本政府、厚労省にもあったら恐ろしいです。
若い人がどんどん国民年金保険料、国民健康保険料を払わなくなり(払えなくなり)、年老いた人たちが増えて医療費が増大すればこのままずっと3割でいられるでしょうか。
日本の現役世代の人たちが、オバマさんに反対しているアメリカ人たちのように、「自分達の保険料は自分達が払う。人の分まで面倒みるものか。」などと言い出して、国民健康保険制度がなくなってしまったりしないでしょうね。
若いあなたに考えていただきたい。
保険料が払えないあなたがすべきこと。
アルバイトの地位に重んじて、一生アルバイトのままで暮らすか。
それともきちんと「正規採用」されて、保険料も払い、企業にも負担してもらい、自分の労働力を正当に評価される世の中にするのか。
企業の社長さんに考えていただきたい。
今までの日本の高度経済成長は、いつでも首を切れる安い労働力ではなく、手厚い医療制度に守られた熟練の職工や、経験ゆたかな企業戦士がいたからこそ。
いっとき怪我や病気をしても、きちんと治療して治し、技術や知識を分け合う先輩後輩がいて「年功序列」の社会があったからこそ、60余年という短期間で日本は戦後復興を果たし、先進国の仲間入りができるほど発展したじゃありませんか。
経済が不況に転じた今こそ、手厚く医療保険や年金制度を改正して、元気な熟練した優れた人材を育てていかなければ。
カネは儲かっても、人が健康で育たなければ企業も国の経済もうまく立ち行かないと思いますよ。
アメリカ合衆国のような格差社会は、このままではいつか行き詰まる気がします。
カネさえあれば何でもできる社会。貧しい人が見捨てられる社会。
日本では考えられない位、ひどい犯罪が多発してますよね。
オバマさんが、あの国をどう良くしていくのか、海の向こうの出来事ではなく、自分のことのように毎日TV画面を見つめています。
世界が近くなって、よりよい社会制度を他国から取り入れていけるように願っています。
世界中で、貧困に苦しむ人が少しでも減りますように。病気や怪我をした人がお金がないせいで命を落としたりしない世界になりますように。